ボタンひとつで色変える機械がまじであれば欲しい。そんなことを思いながら、他にも書きかけのブログが色々あるけど、ポリエステルのインクジェットのこと、注染のこと、ポリエステルの浴衣や着物が増えてる背景を書いていこうと思います。
インクジェットやポリエステルの浴衣や着物が増えることで仕事が増える人もいれば、逆にポリエステルは染められない業者や着物のメンテナンスを取り扱う仕事が減る業者は仕事が減る人もいると思います。どんな物や事でも誰かの仕事や技術によってできているので全ての仕事や技術は尊いものだと僕自身は思いますが、その一方でインクジェットやポリエステルはよく分からないから怖いとか良くないとか、自分の領域に踏み込まれるんじゃないかと思い、他人の技術を軽んじて貶める人がいるのも仕方がないことだと思います。
インクジェットで着物や浴衣を作っている立場としての視点からできるだけフラットにまとめようと思いますが、どの立場の人間の発言かによって当然、意味合いも違うので、僕はインクジェットで着物を作り続けてきた立場からの現場の意見ということで片寄りも当然あると思うので、斜に構えて読んでくだされば幸いです。
途中で、着物もスクリーンでもポリエステルやってるので、注染でもポリエステル染めればいいじゃんと思ったので最後におまけで考察しています。
目次
数年前からポリエステルのインクジェット浴衣が注染の仕事を奪っている?
このブログを書くきっかけになったのがツイートを見たことがきっかけだったんですが、数年前からポリエステルインクジェット浴衣の浴衣を業界で流行らせているらしいが、一体どこの呉服業界なんだろ。流行っているならうちにも仕事の依頼してきて欲しいというのが本音です笑 生産能力も余裕あるし、デザインからプリントまで一貫してうけられるのにな。
実際にインクジェットだと言われている着物や浴衣は、スクリーンでプリントされたものであったりします。
注染の浴衣が減った要因
注染が減った原因としては、そのスクリーン染めが浴衣の制作方法としての主流をめるようになったことに起因します。
現在主流になっているスクリーン染め。生地の幅が、着物や浴衣の反物の幅(小幅と呼ばれる約37~40cm)の、3倍・4倍の幅(広幅120~160cm)の生地に一気に機械で染めるもの。
染め紡ぐ浜松 -そめつむぐ はままつ-
https://sometsumuguhamamatsu.hamazo.tv/d2016-01-24.html
浴衣の制作方法として注染が使用される割合が減った理由には、スクリーンなどの近代的な染色方法に比べると、不確実さや不安定さがあるということになります。染色は、元々、気温や湿度などの生地のロットなど諸条件によって不確実性が生まれやすいものです。近代的な染色によって比較的、安定的なものへとなりましたが、それでも色ブレなどが諸条件によって起こりえます。
注染については、その不確実さや不安定が特に強く、注染の場合、気温や湿度や染料温度、酸化時間などで毎回微妙に色が変わるため、より仕上がりの色にブレが出ます。 現在の浴衣の主戦場は、呉服業界ではなく、アパレル業界が生産量の大半を占めており、安定的な品質を求めるアパレル業界にとって、注染という技法はその要望に十分に答えられるものではないということが背景にあります。
一方で両面が染まり、ボカシ染めができるなど、プリントにはできない表現や、仕上がりの不安定さを「味」として理解できる発注者や消費者がいることが、今なお注染が愛されている理由ともいえます。
注染の浴衣を取り巻く現状については下記のブログが参考になります。
染め紡ぐ浜松 -そめつむぐ はままつ-はままつシャツ「第5回 しゃべり場」浴衣産元の白井商事さんのお話
SNSではよく見るインクジェットのポリエステル浴衣
と言ってもWEBやSNSだけを見ている方にとっては、ポリエステルのインクジェット浴衣は多いと感じるのは、新興着物ブランド、古着系ブランドが積極的に自社企画で商品を作り、発表していることにあります。
これらのブランドはSNSの活用が、昔ながらの呉服店よりもはるかに長けています。そして、そのファンの方々も同じくSNSの利用になれていることから情報が拡散されるやすく、SNS上だけで見れば、インクジェット浴衣が流行っている様に見える原因だと思います。
町の呉服屋さんで吊るしで売られている浴衣でインクジェットは、なかなかないと思います。
浴衣では、割高感のあるインクジェット
新興着物ブランド、古着系ブランド以外の呉服業界でインクジェットの浴衣が、現状流行っていない理由としては、コスト面から流通に乗せにくい商材であることにあります。
綿でもシルクでもポリエステルでもダイレクトインクジェットであれば、生地代が違うだけで、加工工程もインク代もほぼ変わらないので加工代はほとんど同じであるため、問屋が扱うには商品として非常に扱いにくいことにあります。
普段、着物を扱っている問屋さんからたまに綿の浴衣の相談もありますが、シルクのプリント代とほとんど変わらないことを伝えると大抵その話はなくなったり、絹絽に変更になったりします。
ポリエステルなら工程が少なくてすむ昇華転写という方法もありますが、コストを下げられますよと代案を提案すると、「ポリエステルはなぁ〜」となるので、シルクを普段扱っている問屋さんにすると綿やポリエステルの浴衣は、利益を載せにくく非常に扱いにくい商材になります。
縫製代はよく知りませんが、シルクであれ、綿であれ、ポリエステルであれ、基本は縫製にかかるコストはほぼ同じだと思います。ポリエステルであっても国内で和裁士の方に仕事を頼んで縫製すれば、当然、販売価格も高くなります。せいぜいSMLのサイズ展開をすることで、発注量をまとめることでコストを下げるくらいだと思います。ポリエステルだから安く作れるというものでもありませんので、そういったことが背景としてあると思います。
新興着物ブランド、古着系ブランドにインクジェットが多い理由
さきほど問屋は扱いにくい商品と言いましたが、しかしながら、新興着物ブランド、古着系ブランドにとっては、インクジェットやポリエステルは自分たちの色を出していくために独自の商品を企画する際に扱いやすいといえます。
- 問屋を介さず、企画するので中間マージンを抑える
- 問屋に比べ、販路が限られるので小ロット生産が必要
新興着物ブランド、古着系ブランドは、問屋を介さずに商品企画をすることが多く、中間マージンをなくすことで販売価格を抑えることができます。
自分でデザインできれば、デザイン代も浮きますし。インクジェット以外の染色方法では色数を増やすほど、コストが増大するため、型代を償却するには生産数を増やすか1反あたりの販売単価を上げる必要があります。インクジェットであれば、色数の制限や色数を増やすことでコストの増大もありません。
新興着物ブランド、古着系ブランドは問屋に比べて、当然、販路は限られます。そのため、必要最小ロットで商品を企画していくことになります。
手拭(注染)の小ロットって何枚?
では注染の浴衣の場合、小ロットは何枚からかというと、堺市や柏原市に本社を置く和晒や注染などを手掛ける企業の業界団体の「協同組合オリセン」のサイトによると
*還暦祝い・ホールインワン記念等のメモリアル手拭いなど、200枚以上からお受けします。
https://www.osaka-orisen.com/smallots.html
200枚未満になりましても染色工程は変わりませんので一枚当たりの単価は割高になります。
と記載され、浴衣について載ってませんでしたが、注染の手ぬぐいは最小ロットが200枚、浴衣に換算すると15反程度であれば、どの業者も作ってくれるのではないかと思います。注染の1反あたりの製造コスト(型代、染代のみ)は、インクジェットに比べてはるかに安価です。ただ、最低15枚を全くデザイン、同じ色を作る必要が出てきます。
また色数が増えれば増えるほど型代などの初期投資がかさんだり、デザイン上の制約があったり、先に述べた染色の不安定性から思うような商品にすることができないという可能性が出てきます。
ちなみに注染ではなく、浴衣の加工方法で多いスクリーンを使うと最低ロットは、最低ロットは、90疋すなわち浴衣180着分。1枚あたりのコストは限りなく抑えることができますが、これを捌くには、よほどの販売力がなければ難しく、呉服チェーン店や浴衣を扱う商社やアパレル会社しか難しいと思います。
それに比べると注染は少ないロットから作れるという点ではインクジェットと競合する可能性はなくはないと思います。
インクジェットの浴衣の最小ロット
一方でインクジェットとは言うと、他社の事情がよくわからないですが、弊社の場合、綿のダイレクトインクジェットの場合は、小幅(40cm巾)であれば1反すなわち1着からプリントを行っていますが、注染に比べると工程数が多いため比較コストが掛かり、綿の着物や浴衣としては高価な部類になります。
うちが運営する布Lab.という布のプリントサイトでも、手ぬぐいのプリントを行っていますが100枚以上作っても単価を落とすことは難しく、注染の手ぬぐいに単価で太刀打ちすることはできません。
その変わりに「型代なしで色数に制限なく手ぬぐい1枚から」といったことや「100枚発注の場合は、10枚ごとにデザイン変えていいよ」みたいなサービス体系によって注染との差別化を行っています。このような多品種小ロット生産がインクジェットの特徴となります。
浴衣の場合は、ダイレクトインクジェットではなく、工程数の少ない昇華転写でプリントすることできるポリエステルが選択されることが多いです。多くの場合は最低ロット(最低限生産枚数)が、1反広幅50M程度だと思います。約50Mの広幅の生地で、12枚分の着物や浴衣を作ることができます。業者によって、異なりますが12枚全て同じものもでなければならないところもあれば、3種類各4枚だったりと色々で、弊社の場合だと12枚バラバラの色・デザインのものでもプリントすることができます。
そのため、新しく商品を企画したりするにしても、12枚バラバラのものを作れるので、商品の展開数を増やしたりすることができます。また生産の品質も安定するため、追加生産をしたものと見本と大きく異なるというリスクも避けられます。
このような多品種小ロット生産がインクジェットの特徴が新興着物ブランド、古着系ブランドにとっては、独自の商品を企画する際にインクジェットやポリエステルはリスクを抑えることができ、扱いやすいという理由になります。
なぜポリエステルなのか。
以前の工芸としての着物を愛着するユーザーよりも、ファッションとしての着物を愛着するユーザーが増えてきたことにあります。
これらのユーザーが求めるものは「扱いやすくテンションの上がる着物や浴衣」だと僕自身は思っています。扱いやすいというのは、ただ単に洗えるということではありません。「洗って、簡単に乾いて、アイロンがけもほとんどいらない。」そこまで含めて扱いやすい着物。綿でも洗うことはできますが、それだけでは必要十分条件を満たすものではありません。
新興着物ブランド、古着系ブランドは、ユーザーのニーズを踏まえつつ、様々なデザインを小ロットで生産できる技法としてインクジェットやポリエステルを選んでいると思います。
もちろん、ポリエステルも万能ではなく、着付けがなれないとしにくいなどもあります。ユーザーの求める価値観が変わってくれば、必然的に使用される素材や加工方法も今後変わってくると思います。
定点観測をしていると、ブランド力がついた新興きものブランドであれば、在庫を多く抱える注染の浴衣にも挑戦している印象があります。また反物を浴衣として売るだけでなく、切り分けて手ぬぐいとして売ったりすることで、リスク回避などもされているブランドもあります。
うちでも、お客さんの相談内容によっては一、二色程度である程度の数量まとまってるなら、うちでやるより注染の方が安いですよって提案することがあります。
綿とポリエステルどっちが暑い?
ポリエステルだから暑いと言う意見を目にすることがありますが、これは正しくもあり、間違いでもあります。
結局のところポリでも綿でも何を使って染めたか、生地本来の風合いはどうなのかということによります。
インクジェット浴衣の大半は、綿、ポリ問わず、注染や友禅などと同じ染料系インクが大半で、生地の風合いを壊すことがないので、インクジェットだから暑いというのはないかなと思います。
暑いと言われるものは、顔料系のスクリーンプリントと勘違いされてることが多いです。顔料系の場合、生地の通気性を阻害するので綿生地だろうがポリエステルだろうが通過性が阻害されているのでプリントしていても暑いです。
染料プリントの場合は、生地の風合いを損なうことはないので、その通気性は生地本来の風合いに起因します。
安いポリエステルであればあるほど重かったり、通気性が悪く、中国で生産される安価な着物や浴衣はそういった機能性が高い生地を使用していないので、そういった印象が強いのかなと思います。
ポリエステルも高機能素材のものは、速乾性や通気性が良いものも多いです。よく使用されているものとして、セオαがあります。
セオアルファ® 高い吸水性を有するポリエステル長繊維糸および織物
東レ公式サイト https://www.toray.co.jp/products/fibers/fib_0040.html
新合繊の特色であるソフトな膨らみと張り・腰のあるドレープ性などの高感度な質感に加え、綿100%素材を上回る吸水性を有する清涼快適新合繊です。繊維断面形状の設計と混繊技術を駆使することで軽量感とサラサラしたドライ感を実現するとともに、毛細管吸収構造により優れた吸水効果を発揮します。夏物ブラウスやジャケット、浴衣などのアウター分野や肌着、スポーツ等のインナー分野で、高い評価を得ています。
セオαは、生地高いんですが、なぜ浴衣でよく使われるかというと、機能性が証明されていること。浴衣で多用される綿素材のものと織りと同じ織りをしてるものが定番生地としてあるので見た目がよく使いやすい。何より東レのブランドネームがあります。セオα以外にも、もっと安くて、機能性があるポリエステルの生地もあるかもしれません。ただ、セオαのように浴衣にもターゲットを置いた商品開発、ブランディング戦略を行っている商品が少ないためセオαがポリエステルの浴衣の中では最も使われています。
綿であっても平織りで綿が詰まっているものは、通過性がよくなかったりするので、結局の所、生地次第というところになります。
通気性の悪い生地に、顔料系でプリントされていると最悪に暑いので、綿でも、ポリでも生地の通過性と何でプリントされているかはチェックすると良いと思います。
注染の浴衣は減っているけれども
一反を全く、染難がなく染め上げるのは大変苦労を要することで、生地のどこか一箇所に染難、生地難があるだけでその商品は1反分(約12Mほど)がまるごとだめになってしまうことがあります。シルクの着物の場合は、染色補正して直すための利益がありますが、浴衣は利益が低いため、染色補正をするとそれだけ圧迫することになります。
一方で、手ぬぐいであれば、約12Mの生地を90cmでカットしていくため、1反のうち1箇所が難が出ても、手ぬぐい1枚がだめになるだけで、残りのものは販売が可能になります。
うちでもインクジェットで浴衣のプリントするよりも手ぬぐいプリントするほうが気持ち的にも何倍も楽です。何度、蒸屋さんから上がってきて、蒸し難ができてて叫んだことか…0にはできないものやし、蒸屋さんは、数を回す仕事だからそういうのもしょうがないし、染屋や悉皆がリスク持たないとやし。仕立てたら問題がなくても、反物だと商品にならないからと、分引きや買取りになったり。。。
僕は注染の職人さんの実際の経営状況のことはよく分からないですが、浴衣を作る苦しさと手ぬぐいだからこそ許される安堵感は想像ができます。
もちろん、手ぬぐい自体も昔に比べれば減ってはいますが、手ぬぐいは以前に比べて、町の中で販売されて目にすることも多くなったのではないかと思います。時代に合わせて、変化した結果、手ぬぐい専門店のようなブランドが生まれています。
浴衣は季節やユーザーが限定され、購買頻度も少ない。手ぬぐいなら一年中、着物に興味がない方にも売ることができます。手ぬぐいブームや手ぬぐい店が認知されることで、また、企業の販促等や年末年始の挨拶等のノベルティとして、手ぬぐいが再び選ばれるようになるなど、昔ほどの売上はなくても新たな価値の活かし方、伝え方をされているので尊敬の念を感じます。
注染がスクリーンに浴衣のシェアを奪われたとしても、伝統的な注染の持つ染め方の味であったり、むくもりであったり、そういった価値をきちんと伝えるべきところに、届けるための方法をデザインし、時代に即した戦い方をすることが、本当に残すべき伝統を残すことにつながり、手ぬぐいの再評価につながっているのかなと思います。
おわりに
ポリエステルの着物や浴衣だからといって売れるものでもありません。アンティーク着物がどれだけ人気になっていたとしても、新品の着物が売れるわけではありませんし。
なくなる技術だから買ってと言っても振り向いて買ってくれるものでもないので、価値を生み出し、それを伝えなければ、当然廃れてしまいます。
海外で制作されるポリエステルの浴衣が、国内の職人やデザイナーが全く関わっていないにしても、中学生でも買える価格の浴衣を作るには、きっと多くの企業努力や技術が詰め込まれていると思います。それぞれの価値の提案の仕方があります。
注染の手ぬぐいが、価値の見せ方を変え、現代の生活の中に再び入り込んだことは尊敬すべきことで、ここから多くのことを学ばなければと思います。
自分としては、アンティーク着物ファンが新品の着物を買いたくなるような、着物に興味がな買った人にも着たいと思ってもらえるようにモノづくり、コトづくりをしていかないといけないと思います。
あと、どなたか、ボタン一つでポチッとできるインクジェットをまじで紹介して。
得意先の「先方さんが持っていた財布と同じ色にして欲しいって言われたから、写真撮ったから実物と同じ赤にしといて」、「いやいや、それ写真ですやん。明らか暗いとこで撮ってて色絶対ちゃう…」みたいなむっちゃぶりな指示でも、ボタンひとつで一発で、デザイン的な問題や生地の特性や前後処理の諸条件の違いを自動的に計算してプリントできるやつ。買い替えます。
現場からは以上です。
おまけ
ポリエステル浴衣がいくら売れても職人の将来には何の役にも立たないのか。ポリエステルの着物が増えているのであれば、逆に注染の職人の仕事も増える可能性もあり、それこそ職人の仕事を作ることじゃないと思ったのでおまけで考察です。
注染はより安価に大量にプリントするための技法として発展してきたので、ポリエステルも安く染められればできるんじゃないかと。注染で使用される染料は、「硫化染料」「反応染料」「スレン染料」など。
ポリエステルの注染を行うためには「分散染料」に変える必要があります。
それに伴い加工工程も増やす必要があります。
通常の注染 | 糊付け→染め→洗い→整理・乾燥 |
ポリエステル | 生地をシルケット加工→生地に前処理剤付与→糊付け→染め→乾燥→蒸し→洗い→整理・乾燥 |
実際にこれでポリエステルの注染ができるか分かりませんが、可能性はなくはないかなと。過去にすでに実験されている方もいるかも知れませんが。
ただ、工程が増える分、インクジェット並のコストがかかる可能性もあります。また実際問題、あえてポリエステルの浴衣を注染で作る必要があるとも言えないので、ポリエステルの注染が求められる時代が来るとするならば誰かしらがポリエステルの注染を生み出すのではないかと思います。
真面目な考察ではないのであくまでおまけです。